推し活の費用でいちばん多くの人がつまずくのは、平均の数字だけ見て安心や焦りをしてしまうことです。「年間平均25万円」という調査結果もありますが、これは少数のヘビー層が平均を押し上げた数字で、実際には約7割の人が月1万円未満で楽しんでいます。つまり「いくらが正解」は存在せず、自分の収入と生活に合わせた上限を先に決めることがすべての起点になります。

この記事では、推し活の費用を①内訳の型を知る → ②月の上限とカテゴリ配分を決める → ③記録して見直すの3ステップで整理します。平均データの読み方、よくある失敗パターン、使いすぎてしまったとき・急な遠征が発生したときの動き方(プランB)までまとめました。

【注意書き】本記事で紹介する平均額は公表されている調査の値であり、調査時期・対象層・推しのジャンルで大きく変わります。金額はあくまで目安であり、予算の判断は自分の収入・貯蓄・生活費を優先してください。

目次

  1. 結論:予算は「上限→配分→記録」の順番で決める
  2. まず整理:推し活の費用は4つの型に分かれる
  3. 調査データで見る推し活の平均額とその読み方
  4. ステップ1:月の上限を決める
  5. ステップ2:カテゴリ配分を決める
  6. ステップ3:記録して月次で見直す
  7. 失敗しやすいパターンと回避策
  8. うまくいかなかったときのプランB
  9. FAQ(よくある質問)
  10. まとめ

結論:予算は「上限→配分→記録」の順番で決める

推し活の予算は、次の3ステップの順番で決めるのが正解です。グッズやチケットの魅力の順から考え始めると、欲しい物が先に膨らみ、生活費を圧迫する逆転が起きます。先に上限を確定させてから、お金の振り分けを決める順番を守ってください。

  1. 月の上限を決める — 収入から生活費・貯蓄を先に引いた残りで、推し活に回せる額を1本の数字にする。ここで予算の大枠が決まる
  2. カテゴリ配分を決める — チケット・グッズ・遠征・月額課金の4分類に振り分け、遠征月は他カテゴリを圧縮するルールを先に作る
  3. 記録して月次で見直す — 支出を記録し、月末に「予算内か・配分どおりか」を確認する。記録なしの予算は事実上機能しない

まず整理:推し活の費用は4つの型に分かれる

予算を組む前に、推し活のお金は4つの型に分かれることを押さえておくと整理しやすくなります。性質が違うお金を1つの「推し活費」として混ぜると、月ごとの波が読めなくなるのが失敗の始まりです。

型 具体例 性質 予算の組み方
チケット型 ライブ・公演のチケット代、チケット手数料 金額が大きく、発生月が読める 発生予定の月に先回りして確保する
グッズ型 CD・グッズ購入、ネット通販 小口で発生しやすく、積もりやすい 月あたりの上限を固定して超えたら翌月へ
遠征型 交通費、宿泊費、会場までの移動 数万円単位で急に発生する 遠征用の専用枠を別に積み立てる
月額型 サブスク、ファンクラブ会費 毎月固定で抜けにくい 固定費として先に確保し、増やすときは見直す

この4分類のポイントは、「毎月かかるお金」と「たまにまとめてかかるお金」を分けることです。遠征をしない月は支出が少なく見えるため、そのまま感覚で使うと遠征月に一気に崩れます。

調査データで見る推し活の平均額とその読み方

公表されている主な調査では、推し活の年間支出はおおむね次のような値です。

調査 数値 補足
推し活総研(CDG・2025年1月、約2.3万人調査) 年間平均 約25.5万円 推し活人口 約1,384万人、市場規模 約3.5兆円との推計も
afb調査(2025年12月) 月あたり「〜5,000円」が最多で51.6% 約7割が月1万円未満
Paidy「みんなの推し活大調査2025」 月1万円以上の支出層が増加傾向 ライト層中心から少しずつ厚みが出ている

この数字を読むときに大切なのは、「平均25万円」と「7割が月1万円未満」が両方とも事実という点です。分布は大きく偏っていて、平均額は高額支出のヘビー層が押し上げています。つまり平均は「目安の中央値」ではなく「分布の右に引っ張られた値」であり、自分の予算は平均に合わせるものではなく生活に合わせるものです。

また、支出額は推しのジャンル・参加形態(配信視聴のみか、現場に行くか、遠征するか)で大きく変わります。現場に行かないライト層と、遠征を重ねる層では桁が違って当然なので、他人の金額との比較は予算決めにはほぼ役に立ちません。

ステップ1:月の上限を決める

最初に決めるのは「推し活にいくらまで使ってよいか」という1本の数字です。考え方の基本は、収入から生活費と貯蓄を先に引いた残りの中で推し活を完結させることです。逆に、推し活の予定を先に置いて生活費を後から調整する方式は、赤字の入り口になります。

決めるときの目安として、次の順番で引いていきます。

  1. 月の収入
  2. − 家賃・光熱費・食費などの固定生活費
  3. − 貯蓄(先取り。金額は少なくてもゼロにしない)
  4. = 可処分所得 から、推し活の上限を設定

上限は「月額固定」より基本枠と遠征用の積立枠の2本立てが現実的です。遠征は数万円単位で突然発生するため、基本枠だけでは必ず破綻します。たとえば基本枠1万円+遠征積立5,000円のように分け、遠征しない月は積立をそのまま貯めておくのが崩れない形です。

ステップ2:カテゴリ配分を決める

上限が決まったら、4つの型(チケット・グッズ・遠征・月額)に振り分けます。配分に正解はありませんが、ルールを先に決めておくことが重要です。おすすめは次の3つのルールです。

  • 月額型は最優先で確保する — サブスクやファンクラブ会費は固定費なので、残りをチケット・グッズ・遠征に配分する
  • 遠征月の圧縮ルールを決めておく — 「遠征する月はグッズ購入を半分にする」など、どのカテゴリを削るか事前に決める。当日の判断をゼロにするのが狙い
  • チケットは発生予定の月に先回りする — 発売が決まっている公演のチケット代は、当月ではなく数か月前から少しずつ確保する

配分を決めるときのコツは、数字を細かくしすぎないことです。1,000円単位で精密に配分しても守りきれず、逆に挫折の原因になります。大きなくくり(例: グッズ枠3,000円)で管理する方が続きます。

ステップ3:記録して月次で見直す

予算は、記録とセットで初めて機能します。記録の方法は家計簿アプリ・ノート・スプレッドシートのどれでも構いませんが、押さえるべきは次の3点だけです。

  1. 支出を4分類で記録する — 「いくら使った」だけでなく「どの型にお金が行ったか」が分かる形で残す
  2. 月末に予算との差分を確認する — 超過したカテゴリがあれば、翌月の配分へ反映する
  3. 四半期に1回、上限自体を見直す — 生活の変化(収入・遠征頻度)に合わせて上限と配分を更新する

見直しの判断基準はシンプルに、生活を削っていないか、逆に過度に我慢していないかの2点です。どちらかに当てはまるなら、上限か配分のどちらかを動かすサインです。

失敗しやすいパターンと回避策

失敗パターン 起きること 回避策
平均額と自分を比較する 実際より使っていないのに焦り、必要のない出費が増える 平均は分布が偏った値と理解し、比較対象は自分の過去にする
給料日前にグッズで浪費する 月末に生活費が足りなくなる グッズ型の月間上限を固定し、上限到達で購入を翌月に回す
遠征費を当月の予算で賄う 予算が一気に崩れ、翌月以降も圧迫される 遠征用の積立枠を別に作り、先回りで貯める
サブスクが積み上がる 固定費が増えたことに気づかない 四半期に1回、使っていない月額サービスを解約する
予算だけ決めて記録しない 使途が分からず、毎月同じ失敗を繰り返す 4分類での記録を最低限のルールにする

うまくいかなかったときのプランB

予算運用は、崩れたときの動き方を決めておくと続きます。

今月使いすぎてしまった場合は、翌月の「グッズ型」から優先的に圧縮します。チケットや遠征の予定は動かせないことが多く、調整余地が最も大きいのがグッズ型だからです。取り返しに貯蓄を崩す選択は最後の手段にします。

急な遠征・公演が発生した場合は、遠征積立が足りなければ「①当月のグッズ枠を全額遠征へ回す → ②翌月以降の遠征積立を上乗せして返済する」の順で調整します。積立の先延ばし(いわゆる予算の分割返済)なら、生活を圧迫せずに遠征へ乗れます。

収入が減った・生活が変わった場合は、予算の見直しは「ゼロか減額か」ではなく月額型を維持しつつ現場参加の頻度を調整する方向で考えます。月額型(サブスク・ファンクラブ)を残せば推しとの接点は維持でき、チケット・遠征の頻度だけ落とす形が現実的な調整方法です。

FAQ(よくある質問)

Q. 月1万円じゃ少なすぎますか? A. いいえ。afb調査では約7割が月1万円未満で推し活をしており、むしろ多数派です。金額より「自分の上限内で続けられているか」が重要です。遠征や現場参加を増やすかどうかは、月の上限の決め方で改めて判断してください。

Q. 平均25万円に合わせるべきですか? A. いいえ。平均はヘビー層が押し上げた値で、中央値的な感覚で使うと予算を大きく誤ります。根拠については調査データの読み方を参照してください。

Q. 遠征費用だけ別にしたいのですが? A. その判断は正解です。遠征は数万円単位で急に発生するため、遠征型の予算の組み方のとおり、基本枠とは別の積立枠を作るのが崩れない形です。移動費そのものを抑える工夫は遠征のコストダウン術で解説しています。

Q. グッズを減らしたくないのですが、どこを削れば? A. 削る場所より「先に上限を確定させてから配分する」順番が崩れていないかを確認してください。順番が守れていれば、プランBの調整方法のとおり、翌月への先延ばしで対応できます。

まとめ

推し活の費用は、平均額(年間約25万円)に合わせるものではなく、自分の生活に合わせて上限→配分→記録の順番で決めるものです。ポイントを3つに絞ります。

  1. 平均は分布の偏った値。比較相手は自分の過去でよい
  2. 費用は「チケット・グッズ・遠征・月額」の4分類で分け、遠征用の積立枠を別に持つ
  3. 月末に記録と予算の差分を見て、上限と配分を四半期に1回見直す

予算を抑えたい場面では、遠征のコストダウン術や100均グッズの収納アイデアが実用的です。初めての現場参加を計画している場合は初ライブガイドもあわせてどうぞ。